スピーカーから出る”音”をオシロスコープで波形解析することはできると思いますが(私はそもそもオシロスコープを所有していません)、スピーカーケーブルの音質の傾向の違いを可視化することはできないと思います。おとなしい音、キンキンした音を波形解析できないのです。ご紹介しているスピーカーケーブルがお客様にご満足いただける”音質”かどうかはわかりません。わからないと言ってしまい申し訳ありません。ただ言えることは、スピーカーケーブルで”音質”は明らかに変化します。スピーカーケーブル自体での音の変化というより、端末プラグ[バナナプラグ、スペードプラグ(Yラグ)]と線材をどのように繫いでいるかが非常に重要だと思っています。”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブルVer.2”、”ジャンパーケーブル”の線材はOFC(無酸素銅)に高純度の錫をメッキしたものです。各端末プラグは”りん青銅”製なので、ハンダ(オーディオ用ハンダ)との相性は非常にいいのです。オーディオ用ハンダと線材が確実に固着されているこのスピーカーケーブルは、多くのオーディオを愛する方々にご満足いただける”音質”だとs.d.j.acousticsは確信しています。
スピーカーのネットワークの入力側に低域用と高域用(まれに中域用がある場合はトリプルワイヤリングになります)のそれぞれの独立させた端子(プラス側2個、マイナス側2個の計4個)を設け、2ペアのスピーカーケーブルでアンプのスピーカー出力端子と直接つなぐ接続方法です。アンプのスピーカー出力端子が2系統(AあるいはB)ある場合、例えばAの端子にバナナプラグとスペードプラグ(Yラグ)を同時につなぐ方法がまず1つあります。この方法以外にアンプのスピーカー出力をA+Bの設定にする方法もあります。試聴はA+Bの接続方法で検証しています。詳しく説明させていただいておりますので僭越ながら参考にしていただければと思います。
オーディオ製品を取り扱っているお店などには、いろいろなブランドのスピーカーケーブルが切り売りされているコーナー があります。このような端末処理がされていないスピーカーケーブルは、絶縁体(ビニールなど)をご自分でカットして線材を螺旋状に撚ってからアンプやスピーカーの入出力端子の穴に差し込み、ネジを締めるーーこれが端末処理がされていないスピーカーケーブルの一般的な接続方法です。もちろんこれで音は出ますが、線材が空気(酸素)に触れるため酸化しやすくなり、それが原因で音質が劣化します。”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブル”、”ジャンパーケーブル”の端末処理は線材と各プラグをオーディオ用ハンダで固着し熱収縮チューブ(4層)でハンダで固着した箇所を覆っていますので、線材が空気(酸素)に触れることはないので音の劣化はありません。ハンダで固着する最も大きな理由は”音質”です。Q.1の”スピーカーケーブルで音は変わるのですか?”の答えとリンクしてしまい申し訳ありません。私も過去、切り売りのスピーカーケーブルを購入し、端末処理をしないでアンプ、スピーカーにつないで音楽を楽しんでいました。たまたま、線材にオーディオ用ではないハンダをしみ込ませてからヤスリでプラグの穴に入るように削って差し込んで聴いたところ、かちっと した音といいますか、ライブ盤を聴いたのですが、聴衆の人たちの拍手の生々しさというか実在感があるといいいますか、その時の驚きの体験が今に続いているのです。押しつけがましいとのご批判は覚悟の上ですが、バナナプラグにしても、スペードプラグ(Yラグ)にしても端末処理プラグはオーディオ用ハンダで固着すれば”聴き疲れしない実在感のある音”は変わる事なく長い時間保証するケーブルであることを確信しております。
s.d.j.acousticsが企画制作しているスピーカーケーブル等に使用しているバナナプラグを制作していただいている金属加工会社の担当者の方が仰っていましたが、一般的に使われている構造のバナナプラグは、”強度”の点で問題があるとのことです。要はケーブルにチカラがかかった時に、それほど強い構造ではないので、バナナプラグが変形し折れ曲がってしまう恐れがあります。ケーブルを固定する方法も、まず1個のネジで絶縁体(多くはビニール系の樹脂)付のまま固定し、もう1個のネジで絶縁体を剥がした状態の線材(例えば銅線)でプラグと線材を固定するのが一般的です。(WBT製等)しかしながらケーブル径のサイズはいろいろです。”ファイアーバード・ラウドスピーカーケーブルVersion 2”や”ファイアーバード・ジャンパーケーブル”に使用しているバナナプラグ、スペードプラグ(Yラグ)はオリジナルの特製プラグです。線材の径に適合した箇所にハンダでしっかりと固着していますので、構造上ストレスを最大限抑えています。また、各プラグの素材は強度的に強い”リン青銅”を「削り出し製法」していますのでケーブルにチカラがかかった時も簡単に変形することはありません。なお、リン青銅はハンダとの相性がいいことでも知られています。
ご指摘の通りです。一般的な構造のバナナプラグは「いろいろなケーブルを取り替えて使える」から便利であることは、”強度”や”構造上のストレス”を抜きにすれば確かにいろいろなケーブルが使えるプラグだと思います。s.d.j.acousticsとして、是非お伝えしなければいけないことがあります。スピーカーケーブルにしてもジャンパーケーブルにしても”音質”を決めるのは、極論あるいは暴論だと言われるかもしれませんが、「端末処理の仕方」だと確信しています。”6N銅線材[銅の純度が99.9999%でN(Nine)の数が6]を使ったオーディオケーブル、スピーカーケーブルはかなり高額なケーブルになります。”ファイアーバード・ラウドスピーカーケーブルVersion2”や”ファイアーバード・ジャンパーケーブルの導線材は4N銅線材です(OFCとも呼ばれており、オキシゲン・フリー・コッパー/無酸素銅)。銅線材としては一般的な純度になります。オーディオ評論家の方々の中には銅の純度をやたら気にする方がおられますが、ほんの少しの違いです。4Nと6Nの違いはs.d.j.acoustcsにとってはほとんど同じで差はないと思っております。s.d.j.acoustcsが企画制作した”バナナプラグ”、”スペードプラグ(Yラグ)”の音質については絶対の自信を持っていますので、是非スピーカーケーブルやジャンパーケーブルをお買い求めいただき、その”音質”をご自身の耳で確かめていただければと思っております。
理由を教えてください?
当初、”ファイアーバード・ラウドスピーカーケーブル(いわゆるVersion 1になるケーブル)”を制作した時には、とにかく”バイワイヤリング接続”にかなりこだわっていました。しかしながら、そこそこ大型スピーカーならいざしらず、小型スピーカー(左右それぞれ2本づつ)で計4本のケーブルになってしまうことになり、これはちょっと”大袈裟”かなと思い、商品自体に否定的だった”ジャンパーケーブル”を試作してみました。「スピーカーケーブルの延長線と捉える」というコンセプトで同じ線芯、端末プラグを使って長さ調整等の試作を繰り返し、小型スピーカーに繫げて試聴してみました。バイワイヤリング接続した小型スピーカーの音とほとんど同じだったことに少なからず驚いた次第です。リニューアルしたホームページの”試聴欄”を見ていただければと思います。また、”ジャンパーケーブル”を制作した結果、各端末プラグと線材をハンダで接合した部分を最大4層の熱収縮チューブでしっかり固定したことや、より取り回しがラクになったこと、結果として微妙なレベルではありますが”ファイアーバード・ラウドスピーカーケーブルVersion2”につながったことはうれしい誤算でした。