前にハンガリー出身の作曲家、コダーイの「無伴奏チェロ・ソナタ作品8」についてお話しをさせていただきました。今回はこのコダーイの代表的管弦楽曲である”ハーリ・ヤーノシュ”について、またこの演奏の指揮者イシュトヴァン・ケルテスについてあれこれ書いてみたいと思います。それぞれ、検索すると専門的で詳しい解説がされているのでそちらを閲覧していただければと思います。”ハーリ・ヤーノシュ”にはハンガリーの民族楽器ツィンバロンが効果的に使われています。この楽器の音色は日本の”琴”に似ているのでそのことと関係があるのかもしれませんが、いわゆる西ヨーロッパ的な曲調とは異質なものを感じます。数種類のCDが発売されていますので、是非一度聴いてみてください。今回、改めてケルテス指揮/ロンドン交響楽団盤を聴きました。最近はやたらとこの管弦楽曲を聴くようになってしまいました。メロディが頭から離れなくなってしまったというか・・とにかく魅力的な管弦楽曲なのです。なお、このLPはお得意のヤフオクで落札したものです。
指揮者であるケルテスもハンガリー出身ということもあり、この”ハーリ・ヤーノシュ”についてはコダーイと同郷であることはそれなりの思い入れがあったはずです。1960年にロンドン、キングスウエイホールで録音されたものですから随分昔のことになりますが非常にバランスが整った録音だと思います。さすがクラシック音楽では定評のあるデッカの録音です。また、TBSラジオの情報トークバラエティ番組「伊集院ひかるとらじおと」の中で「ハーリ・ヤーノシュ/第2曲”ウィーンの音楽時計”」が使われています。ラジオを聴かれる方はどれくらいいらっしゃるかわかりませんが是非聴いてみてください。伊集院さんはクイズ番組などで拝見すると大変博学な方のようなので”ハーリ・ヤーノシュ”をご自分から番組で使いたいなんてことがあったのかも・・・指揮者ケルテスは実はもうこの世の方ではありません。1973年にイスラエルのテルアビヴの海岸で高波にさらわれ、なんと43歳の若さで帰らぬ人となってしまいました。ケルテス指揮の交響曲では有名な「ドヴォルザーク”新世界より”」のLPレコードもスケール感、そして何よりドヴォルザークの故郷チェコスロヴァキアに対する望郷の念を強く感じられる素晴らしい名演です。ドヴォルザークは1892年にアメリカ合衆国の国民音楽院の初代院長に招聘され約2年間のアメリカ生活を送る中で、猛烈な勢いで発展するアメリカ合衆国のエネルギー、古くからのアメリカ民謡、黒人霊歌などから大いに影響を受けたとされています。イシュトヴァン・ケルテスを検索すると顔写真が載っているいくつかのサイトが見つかります。ちょっと繊細そうで誠実そうな顔、なかなかのイケメンです。お亡くなりにならなかったらどんな指揮者になっていたのでしょうか。