8月14日に東銀座にある新歌舞伎座で催された「八月納涼歌舞伎」に行ってきました。夕方の6時開演の第3部から鑑賞しました。演目は”新古演劇十種の内/土蜘(つちぐも)”と”新作歌舞伎/廓噺山名屋浦里(さとのうわさ・やまなやうらざと)でした。役者さんは、中村橋之助、中村獅童、中村勘九郎、中村七之助、中村扇雀など錚々たる方々でした。橋之助さんはいかにも歌舞伎役者然とした声、以外にも(?)獅童さんがなかなかすばらしい声でした。
歌舞伎について造詣の浅い私ですが新歌舞伎座の音響の素晴らしさに触れないわけにはいきません。見得を切ったときの板を踏んだ音の迫力はやはり生でないと味わえません。スピーカーで再現しようとすると(ほとんど無理ですが・・)大口径のウーファーが必要になるくらいの低域のエネルギーがありました。
しかし、なんと言っても最初に始まる歌舞伎囃子です。NHK教育テレビの歌舞伎の番組などで聴かれた方も多いと思いますが、三味線、笛、小鼓、大鼓、太鼓、大太鼓、当り鉦など多種にわたる楽器を駆使して演目の場を盛り上げています。これらの楽器から奏でられる生の音は、テレビで聴く音とは別次元のものです。
お目当ての役者さんを観るため、あるいは演目目当てに新歌舞伎座にいらっしゃる方がほとんどかもしれませんが、音も聴きたい目的で新歌舞伎座に行ってみるのもいいかなと。オーディオファンの皆さんもきっとご満足されることと思います。
演目の2作目の”廓噺山名屋浦里”は笑福亭鶴瓶さんの新作落語の歌舞伎バージョンといえるもので。言葉も大変分かりやすく、鶴瓶さんの息子の駿河太郎さんも出演されていました。もともとは女形なので当然かもしれませんが、中村七之助さんの花魁姿がなんとも艶っぽかった。