7年前にこのブログで ” 天上の音楽 ” として私は、ヘンデル/オラトリオ「メサイア」をご紹介しました。あれからアーノンクール盤が加わったのですが、この「メサイア」はとにかく合唱の出来がキーポイントになると思っております。偉そうで申し訳ないのですが、私が今まで聴いた中で最も合唱が優れているのではと思っている盤は、ロバート・ショウ指揮/アトランタ交響楽団、室内合唱団の盤です。数々の優れた盤を世に出しているTELARC(テラーク)レーベルのハイセンスな録音と共にホールの響きが素晴らしい。録音されたのはアトランタ/シンフォニー・ホール、1983年といえば今から40年前になりますが、全く録音の古さを感じさせないものです。聴けば聴くほどに私は最後はこのロバート・ショウ盤に結局行き着くのです。先週今年のブログは最後というお話をしましたが、ここはやはりヘンデル/オラトリオ「メサイア」で締めくくりたいと思います。
” 合唱の神様 ” と呼ばれるように、合唱のセンスを感じる箇所は・・Disc 1/第一部、トラック4(CHORUS)、そしてトラック7(CHORUS)です。男声と女声の掛け合いが重層的に空間に浮かび上がります。女声ソリストではカーレン・エリクソン氏のソプラノ、シルヴィア・マクネアー氏のお二人の素晴らしい歌唱力が光っています。男声ソリストではアメリカ屈指の優れたテノールとして名高いジョン・ハンフリー氏の声質がこのオラトリオの世界観にピッタリなのです。そして、指揮者ロバート・ショウ氏のオーケストラと室内合唱団を縦横無尽にコントロールしているのがこの盤の最大の特徴です。合唱のセンスを最高に感じる箇所はというと・・ハレルヤコーラスで有名なDisc 2/トラック12(CHORUS)ではありません。もちろんハレルヤコーラスは素晴らしいのですが、終曲であるトラック18(CHORUS)を聴くとロバート・ショウ氏が ” 合唱の神様 ”と呼ばれている理由がよくわかります。この混声合唱の凄さは他の盤からは聴く事は出来ないほど感動的なものです。
ただ、オーディオ的な視点でこの盤の評価はしなくてはいけないと思っております。それは、音が ” ちょっと小さい ” のです。録音時の状況なのか、他の盤に比べると8割くらいのレベルではないかと。よって、アンプのボリュームを割と大きめにしなといけないのです。それと、CDピックアップドライブをフィリップス製CDM4を搭載しているCDプレイヤー(例えばSTUDER D730など)で再生しますと、ピーという発信音がエンドレスに聴こえてくるのです。TELARCレーベルの他の曲目(レナード・スラットキン指揮、セントルイス交響楽団/マーラー ” 交響曲 第2番<復活 ”)も同じ症状が出るものもあります。因に日本製のYAMAHA CD-S2000で再生すると、その音は聴こえません。YAMAHAのCDプレイヤーはフィリップス製ではありません。原因は未だにわかりませんが、CDプレイヤーによっては妙な発信音が最後まで聴こえてくりのはやはり気になります。
ロバート・ショウ指揮/アトランタ交響楽団、室内合唱団の「メサイヤ」のレーベルは前述のようにTELARC、CD番号はCD-80093になります。尚この盤は輸入盤だと思いますが、日本語による曲目の解説は付属しています。CDジャケットのタイトルは写真を見ていただくとおわかりのように金の箔押しの処理がされております。