フランツ・リスト作曲「ピアノ・ソナタ ロ短調」と「パガニーニによる大練習曲」のこと

ギリシャ人ピアニスト、ジョルジュ・エマニュエル・ラザリディスの超絶ピアノテクニックを聴くことができるこのCD盤のレーベルは LINN  RECORDS で、CD番号は CKD 282で数年前に購入したものです。オーディオブランドとしてのLINNはオーディオマニアには有名なブランドで、アナログプレイヤーのLP-12とか、特にCDプレイヤーのCD-12は1998年に発売され音質的にも、非常に高価(280万円?)という点でも大変有名です。そのLINNがレコードレーベルを立ち上げたということですよね。

まあそれはさておき、今回のCD盤に収められているフランツ・リスト(以下 F・リスト)作曲「ピアノ・ソナタ ロ短調」と「パガニーニによる大練習曲」の一点の曇りのないようなピアノの音色が空間に浮かび上がる驚くべき録音、演奏です。なにかロボットのピアニストが弾いているのか?という錯覚に襲われます。CDジャケットの裏面には、SACDマークと共にDSDの表示があります。DSDとは ” Direct  Stream  Digital ” の略で ” 音の滑らかさがアナログ録音に近く、音の細かいニュアンスの忠実な再現を目指して開発されたもので、要はアナログレコードのような滑らかさとデジタルならではの音の透明度を合わせ持っているとのことです。

同時代のフレデリック・ショパン(以下 F・ショパン)のピアノ・ソナタ(例えば 第3番)などよりも、この「ピアノ・ソナタ ロ短調」は詩的で瞑想的なフレーバーを感じます。晩年には調性を無視した前衛的な作品まで発表した・・・。F・リストという方はF・ショパンとは親友同士だったようで、とはいえ音楽作りではお互い影響し合っていたのでしょうかね。一般受けするのが F・ショパンであるとすれば、クラシックファン向けなのが F・リストなのかなと。部屋を暗くして(雨が降っていたらなおさらいいのですが)聴くと思いっきり落ち込みますが、聴き終わったら次につながる勇気をもらったような・・そんな曲です。もう一つの「パガニーニによる大練習曲」の中の4トラック目は大変有名な曲目です。一度は聴いたことがある方も多いと思います。しかしながら、F・リストさんはよくもまあ練習曲なのにこんな複雑な曲を書いたものだと感心します。

このCDセットにはClassical  Highlights  CD盤が付録されています。各楽曲(F・リストを含めて18タイトル)のハイライト部分が収められています。また LINN  RECORDS 全体では80タイトル以上(180gのアナログ盤を含め)の作品がラインナップされております。

私は小型スピーカーでこのF・リストのCD盤を聴いております。使っているCDプレイヤーが SACD 盤 に対応しており、再生中はSACDのライトがオンになっている状態なので、SACDのレイヤーを再生しているのが影響しているかはなんともいえませんが、とても小型スピーカーが鳴っているとは想像できないほどのスケール感を感じます。ちなみにスピーカーは、英国のブランドCELESTION  A-Compact です。スピーカーの種類としては、2ウェイ・バスレフ・ブックシェルフ型でウーファーの口径は10cm、口径2.5cmのチタンドーム・ツィーターの構成になっております。出力音圧レベルは85dB(低めです)、定格入力は75W、公称インピーダンスが4Ω、再生周波数帯域は80〜20.000Hzという表記になっていますが、もっと低域側は低い音も出ているイメージです。インピーダンス的に音量には注意が必要になります。また防磁設計になっているのでAudio&Visualにも使えそうです。スピーカーケーブルはFIREBIRD  LOUDSPEAKER  CABLE  B/Bタイプ(両端子共バナナプラグ)のバイワイヤリング接続(2ペア)で、長さは2.5mです。このスピーカーは聴く度にいつも思うのですが、入力端子はちょっと強度的に残念なところがありますが、とにかく音質が大変素晴らしいスピーカーで今回のピアノ・ソナタあたりを聴くには大型スピーカーなんていらないかもです。