前回、前々回のブログ、グスタフ・マーラー「大地の歌」について取り上げて以来、マーラーのシンフォニーを聴く回数が増えています。2022年8月5日にアップした ” サイモン・ラトルという英国の指揮者を皆様ご存知ですか?” というブログではグスタフ・マーラー「交響曲 第3番 ニ短調」のCD盤をご紹介しました。このCD盤は子供達の合唱が素晴らしいのでお薦めです。私はマーラーの交響曲は1番から9番まで所有していますが、今回の「交響曲 第8番 変ホ長調」は合唱付の交響曲としてスケールは最大です。がしかし内容的には最も難解だと思っております。難解というか、キリスト教音楽の知識、グレゴリオ聖歌の内容をある程度理解していて、文学の知識として、ゲーテの ”ファウスト” の内容を大まかでも理解しているか等、西欧キリスト教文化にある程度精通している必要があると私は思います。私は西洋キリスト教文化に精通していませんので、ライナーに記されている各パートの日本語訳を読み、私なりにイメージを膨らませるしかなく、私の解釈はこの合唱付交響曲の上っ面を擦っているようなものです。
この交響曲 第8番は「千人の交響曲」の副題があります。実際はオーケストラの楽団員+合唱団、ソプラノ等各パートを合わせて大体350人くらいの規模らしいのですが、それでもかなりの数にのぼります。今回ご紹介するCD盤は前述の英国の指揮者サイモン・ラトル氏が指揮をした交響曲 第3番と同じバーミンガム市交響楽団です。そして、同じバーミンガム市交響合唱団、ロンドン交響合唱団、バーミンガム市交響ユース合唱団、カナダからはトロント児童合唱団が参加されており、8人の独唱者と合唱、そしてバーミンガム市交響楽団が織りなす重層的な音世界が迫ってきます。
私如きがこの交響曲についてあれこれ述べることなどおこがましいのですが、私が一番好きな箇所は、第2部:ゲーテの <ファウスト> からの最終場面より ” 永遠の法悦の炎 ”(トラック12)であります。デイヴィット・ウィルソン=ジョンソン氏のバリトンが光ります。そして最も感動的な箇所を挙げれば、同じ第2部:ゲーテの<ファウスト>からの ” すべて懺悔の気のある情深い人々よ ”(トラック23)から終局に向かって行くところは尋常ではない素晴らしさの一語に尽きます。 西欧キリスト教文化の深淵さは深いなとつくづく感じる交響曲です。CDレーベルはEMI CLASSICS、CD番号はTOCE-55716(CD盤は1枚)、2004年、英国バーミンガム・シンフォニーホールでのライヴ・レコーディングとなっています。ライヴ録音ではありますが拍手等は入っていません。
これだけの規模の交響曲ですから、スピーカーは大型の方がやはりふさわしいとは思うのですが、小型のスピーカーでも相当満足できます。アンプのトーンコントロールの低域(BASS)を少しブースト(強く)すれば音の重心が下がりかなり音的に安定します。
この合唱付交響曲ですが、もう一枚所有しています。イタリア人指揮者リッカルド・シャイー氏、演奏はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、プラハ交響合唱団、オランダ放送合唱団、聖バーヴォ教会少年合唱団、声楽の各パートではジェーン・イーグレン、ペーター・マッティ等々。オーディオ的にはこちらのシャイー盤の方がホールの響き、冒頭の大太鼓の重心の低い音などがよく再現されていますし、声楽陣もなかなか頑張っておられます。しかしながらラトル盤の声楽陣の充実度(バーミンガム市交響ユース合唱団が参加されている点で)はより素晴らしい。マーラーの交響曲 第3番でも感じましたが、サイモン・ラトル氏の管弦楽と声楽陣との調整能力というか音楽的センスの良さを感じます。まあ、どちらも捨て難いものがありますが・・シャイー盤のCDレーベルはDECCA、CD番号はUCCD-1026/7(2枚組)、2000年、オランダ・アムステルダム、コンセルトヘボウとなっています。