ムソルグスキー作曲/組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)のアナログ盤について

英国のプログレッシヴ・ロックグループ、ELP(エマーソン、レイク&パーマー)の「タルカス」を前回のブログでご紹介しました。そしてELPは「タルカス」の後、ライブのアナログ盤として「展覧会の絵」をリリースします。このアルバムは、ロシアの作曲家ムソルグスキーの ” ピアノ組曲「展覧会の絵」 ” をロックでやってみようというコンセプトで作られたもので素晴らしいライヴアルバムになっています。このアナログ盤は残念ながら今は手元にはないのですが(実家にあります)、高校2年の頃に購入し、毎日のように聴いておりました。という訳で今回比較するために試聴したのはCD盤になります。

ロリン・マゼール指揮/クリーブランド交響楽団 ” 組曲「展覧会の絵」” のアナログ盤は私の大好きなレコードレーベルである 米国 ” テラーク ” ということもあり、数年前にヤフオクで落札しました。私にとって「展覧会の絵」イコールELPという想いが非常に強いので、今回ブログを書く上でこの組曲をきちんと聴かなくてはいけないかなということで・・・ムソルグスキーは、友人であり建築家で画家としても知られていたヴィクトル・ハルトマンという方の遺作展の作品を音にしたとのことです。格調高い ”プロムナード ” の旋律が全体を通して微妙に変化しニュアンス豊かに散りばめられていて、作曲家としてのムソルグスキーのセンスの良さが光ります。最後の ” キエフの大門 ” は今なら ” キーウの大門 ”と表記しなくてはいけないのですが、壮大なクライマックスで幕を閉じます。ウクライナは歴史のある国なのですね。ELPバージョンではグレッグ・レイクのボーカルが素晴らしい!それと、このアナログ盤はA面にリムスキー=コルサコフ編曲の「はげやまの一夜」が収録されており、これもなかなか味のある素晴らしい演奏です。アナログ盤の音質についてですが、弦楽器のアンサンブルの響きが素晴らしいとの評価通り、一番低い音を出すコントラバス、チェロ、ヴァイオリン、ビオラの高い演奏技術、もちろんそれ以外の金管楽器も高い演奏技術をもっていますが、残念ながら大太鼓の出方がちょっとおとなしいかなと感じました。CD盤については、やはりというか音は綺麗なのですが、前述のコントラバスの低い音の出方がやや物足りないのではないかと思います。

クリーブランド交響楽団はシカゴ交響楽団と並んで、アメリカ合衆国のオーケストラの中で5本の指に入るかというレベルのオーケストラと言われております。今は亡きジョージ・セルという指揮者に徹底的に鍛えられたアンサンブルで、今なお ” セルのオーケストラ ”と呼ばれているみたいです。レーベルは TELARC(テラーク)、レコード番号は2OPC-2014(DG-10042)です。レコードジャケット裏面には”再生のポイント”が載っております。例えば、”トラッカビリティにすぐれたカートリッジと、パワー・リニアリティの良いアンプでなければ、この微妙な表現力は得られないだろう ” 等々・・時代を感じます。

スピーカーはやはり大型のものが望ましいと思いますが、アンプのトーンコントロールで低域を強く(ブースト)していただければ小型スピーカーでもそれなりに満足いただけると思います。トーンコントロールを否定する方は多くおられますが(オーディオ評論家の先生方を含め)、私は積極的に使っています。