しばらくクラシックが続いたので、ロックを聴くか・・ということで、マウンテンの4枚目のアルバム「FLOWER OF EVIL(悪の華)」をレコード棚から取り出し、しばらくジャケットを眺めていました。私が高校生の頃に発売されたものなので、ちょっと盤にキズがありますが我慢して聴く事にします。1971年に発売されたこのアルバムは、A面がスタジオ録音でB面にニューヨーク市マンハッタン区イーストヴィレッジにあった ” フィルモア・イースト ” に於けるライヴ音源が収められています。マウンテンのリーダー、フェリックス・パッパラルディは高校生の頃から管弦楽と指揮に興味があり、ミシガン音楽大学に入ったとのこと。クラシック音楽に興味があったみたいです。しかしながら、才能に限界を感じグリニッジ・ヴィレッジで放浪するようになったとライナーには書かれています。そのあといろいろあって、エリック・クラプトンがいた伝説のグループ(こうゆう言い方はいかにもロック・ジャーナリズム的ですが)、クリームのプロデュースに迎えられ・・・。紙面が足りないのでこれくらいにしますが、結局マウンテンというロックグループが1969年にとにかく誕生します。より詳しく知りたい方はウィキペディアで検索してみてください。詳しく載ってますので。また、タイトルの「悪の華」はフランスの詩人ボードレールの”悪の華”の英訳タイトルということのようです。
このアルバムは1971年に発売されまして、A面の中で私の大好きな曲は ” 誇りと情熱 ” (A面の最後)という曲です。パッパラルディの若い頃のクラシック指向のメロディを感じられます。歌詞は政治的なものですですが。B面のライヴの中では ” ギターソロ ” と ” ベートーヴェンをぶっ飛ばせ ” のレスリー・ウェストのリードギターが素晴らしい。マウンテンの特徴として、このリードギターの音色がとにかく個性的であること、それとコーキー・レイングの野性味溢れるドラムが挙げられます。そしてB面の最後 ” ミシシッピー・クィーン ”の重量級のサウンドに痺れます。マウンテンというロックグループを 知っている方はおそらく60代から70代の方だと思います。そうゆう私も67歳ですが・・この頃はまさにアナログ盤(当時はレコード盤と言ってましたが)全盛時代でありまして、ジャケットのライナーもなかなか凝っています。ロックに詳しいライターの妙に真面目なコメント、レコード会社の担当者の人の好き放題?のコメント、写真もモノクロフィルムで撮って増感現像(※1)して、粒子の粗い写真にしたものが使われていたりなど、あの頃の ” 熱い ” 時代を感じます。
アナログ盤の不思議なところは、レコードを聴いていたその時代に簡単に戻ってしまうところです。その時代の映像が甦ってくるのです。アナログ盤の ” 音の佇まい ” が影響しているのでしょうかね?ただ、このアナログ盤は音があまり良くないです。高域が不足している録音なので、トーンコントロールでTREBLE(高音域)をブースト(強め)しないと、ちょっと私的には納得できません。まあ、それでもこのアルバムはメロディーラインとか先程のギターワーク、特徴的なドラムなど大変魅力的なものがあり、ジャケットデザインのグループ名のロゴタイプやWINDFALL RECORDのロゴタイプのイラストもなかなか味があります。レコードレーベルは ” Windfall ”、レコード番号はBLPL-1WFになります。CD盤については、ディスクユニオンで検索すると輸入盤で数種類あるみたいです。しかしながら、私としては是非アナログ盤で聴いていただきたいです。
※1・・・銀塩カメラに使う白黒フィルム(カラーフィルムは自分で現像をしたことはありません)は昔はいろいろな感度(ASAと表記されます)がありましたが、白黒フィルムでは有名なコダック・トライX(ASA400)など高感度フィルムをより感度をあげて撮影し(カメラ側で、例えばASA3200とかASA6400に設定)に、増感現像用現像液を使って現像することです。通常の現像液で現像時間を長めにして増感する場合もあります。そうした場合、大体粒子が粗くなりますが、敢えてそうゆうネガフィルムにする場合もあります。