ブラームス「交響曲 第1番 ハ短調 作品68」は満を持して作曲されたものだと思います。

  • いろいろな指揮者の方々が録音されている”ブラームス交響曲 第1番 ハ短調 作品68”の名盤は、レナード・バーンスタイン盤とか、ゲオルク.ショルティ盤など有名どころの指揮者がこぞって録音する”ザ・交響曲”と呼べるものではないでしょうか?ただ、ブラームスに限らず当時の作曲家の方々はベートーヴェンの存在が大きすぎてなかなか筆が進まなかったみたいです。この交響曲もご多分に漏れず、完成するのに20年かかったそうです。現代の感覚では時間が掛かりすぎだと思いますが、ブラームスとしてはベートーヴェンには負けたくはない・・という思いだったと思うのです。まあ、それだけ完成度が高いものができたともいえますが。

さて、バーンスタイン、ショルティほど有名な指揮者ではありませんが、ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団のブラームスは中庸の魅力といいますか、オーケストラの響き、音楽の構成に神経が行き届いたものになっており、安心して聴くことができ、センスの良さが感じられます。ドイツのドレスデン郊外で生まれたケンペ氏は少年時代にピアノとヴァイオリンを学ぶ等々・・・ドイツ生まれ故の質実な演奏様式にこだわったこの交響曲を聴くとドイツの風景(ドイツに行ったことはないですが、テレビでドイツの風景は見たことはあります)が目に浮かびます。この交響曲の最後の楽章である、第4楽章はベートーヴェンの”第9”を非常に意識した曲調になっていて、ここにもベートーヴェンの影響が垣間見えます。このケンペ盤のCD盤が発売されているかどうかはわかりませんが、できればアナログ盤で聴いていただきたいです。このアナログ盤が録音されたのは1975年ですから47年前になります。当然、デジタル録音ではなくアナログ録音です。購入した時期はさだかではないですが、2~3年後として今から45年前のものです。結構時間が経っているにも拘らず、ちゃんと聴けるのはアナログ盤ならではだと思います。レコード番号は” ULS-3389-Vになります。45年くらい前に使っていたオーディオ機器(アンプもスピーカーも安物でした)に比べると現在使っている機器で聴くこのブラームスの交響曲にはこんな音が入っていたのかと驚いております。因にレナード・バーンスタイン指揮のCD盤の写真もアップさせていただきます。こちらのCD盤は、中古を含め容易に手に入るのではないかと思います。CD番号  FOOG  27009になります。このバーンスタイン盤は包み込むような表現になっており、それはそれで魅了的なブラームスを聴くことができます。またこのCDには”ハイドンの主題による変奏曲  作品 56a”も収録されています。録音は1981年でデジタル録音とのことです。