ケーブル線材(OFC)と端末プラグはたっぷりのオーディオ用ハンダで接着固定しています。

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オーディオケーブルの商品説明でたまに見かける、”音質に悪影響を与えるのでハンダは使っていません”という表現について私なりの考えをお伝えしようと思います。例えば、CDプレイヤーとアンプを繫ぐオーディオケーブルは微細な電流を扱うケーブルです。ハンダで接着するタイプのオーディオケーブルの場合、ハンダの量、あるいはハンダ接着技術の熟練度などで”音質”に影響が出るのはイメージ的に想像できます。という訳で、ハンダを使わないで接着する考え方は理解できますが、オーディオ機器の回路の基盤には抵抗、コンデンサー、半導体チップなどが基盤の裏側でハンダで固定されていることをどう説明されるのかと思ってしまいます。ハンダで接着固定する作業はオーディオ回路にとって現時点では必要不可欠なものということがわかります。スピーカーケーブルの場合はオーディオケーブルより大きな電流を扱うので、ガッツリとハンダで固定しないとそれこそ”音質”に悪影響を及ぼすのではないでしょうか?

このブログの初めに掲載した写真は最初にホームページにアップするべきだったと反省しております。バナナプラグを例にとって制作手順1〜6のご説明をさせていただきます。

1.ケーブルをカットします。

2.外皮(シース)を剥がし、レッド、オレンジとブラック、グレーをそれぞれまとめて撚り、線材が出るようにストリップマスターという道具 で内皮(線芯)をカットします。画像では白色の細いポリ塩化ビニールの線材が見えますが、これは4芯撚り構造を均一に保ために必ず必要 なものだそうです。

3,マイクロ自在バイス20/MC7(山梨県・野沢製作所様で作られたバイス)でバナナプラグをしっかりと固定し、撚った線材を差し込みます。 作業しやすいようにバイスをオリジナルの木製の台に固定しています。

4.和光テクニカル様のオーディオ用ハンダ(SR-4N Cu)をたっぷり使用して接合します。使用するハンダごては太洋電機産業様のハンダごて ”Goot/TQ-95”という出力の大きいハンダごてを使用しています。

5.たっぷりハンダを使用しているので固まったハンダがはみ出ています。

6.はみ出たハンダをヤスリで丁寧に削っていきます。一番気持ちのいい作業です。確実に線材とプラグが接合しているのがおわかりいただける と思います。ここまでの作業はなかなか集中力が必要ですので結構疲れます。

次回は次の作業である、熱収縮チューブの作業のご紹介をお知らせします。

尚、ハンダ接着しないタイプのオーディオケーブル、スピーカーケーブルについては、企画製造された方々の考え方を否定するものではありません。試聴された結果ハンダは使用しないほうがいいとのご判断は尊重したいと思います。