今からざっと45~6年前私は高校生でした。そうゆう時期なので将来どんな仕事をしようか、絵を描くことや、デザインに興味があったので(というより勉強が好きな方ではなかったので)美大に進学しようかなどといろいろ悩んでいた頃です。結局一年浪人して美大のグラフィックデザイン科に入りました。現在、スピーカーケーブルを企画して製造している私は大学で電気工学?を専攻し、電機メーカーあるいはケーブルメーカーで技術者として働いていたという経歴ではありません。美大を卒業して広告代理店に入社し16年在籍した後、フリーのグラフィックデザイナーになり今に至っております。まあ、オーディオは高校生あたりから大変興味があり、当時雑誌の広告などで高額なアンプ、スピーカーなどをため息まじりで眺めていたものです。オーディオ歴などと大袈裟に言えませんが中学生あたりから当時流行っていたモジュラーステレオから流れる”音”に私は非常に強い思い入れがありました。その中学時代は吹奏楽部に所属していた関係でクラシック音楽に目覚めたのです。もちろんロックも大好きでしたけれども。そして高校から大学、会社員になってからもオーディオに対する興味はなくなるどこかどんどん深みにはまっていったのです。フリーのデザイナーになってからはそこそこのオーディオ機器(オーディオファイルの方々が所有しておられるような超高額な機器ではありませんが・・)を揃えることができるようになりましたが、少しづつですがオーディオの世界でなにかモノづくりができないかと思うようになりました。アンプとかデジタルプレイヤーはそれこそ電気工学の知識がないとお話になりません。スピーカーケーブは今までかなりの数の切り売りタイプの種類のケーブルを使っていて、ケーブルメーカーやケーブルの線材の種類等で音質的な違いを体感というか聴感での違いがなんとなくわかるようになっていました。もちろん私の主観ですけれども。そうゆう訳で私は思いつきでスピーカーケーブルを企画販売している訳ではなく、オーディオ専門店、ケーブルメーカー、金属加工会社の方などいろいろな方からの知識、情報をいただいた上でなんとか製品化にこぎ着けました。売り物ですのでいいかげんなモノを作る訳にはいきません。今の時代、モノを売ることの難しさ、大変さは痛感していますが、オーディオという文化に関わることの悦びはなにものにも代え難いものです。そして何よりも、映像のない”再生音楽”はリスナーの想像力をかけたてるものであるという信念を持ってスピーカーケーブルの制作・販売をしていかなくてはと思うのです。正直グラフィックデザイナーの仕事との両立は正直なかなか大変ではあります。デザインの打ち合せ等で問い合わせの電話に出られない時もあり、問い合わせをしていただいた方には大変ご無礼なことをしたこともありました。本当に申し訳ありませんでした。