CD不況といわれている現状について

私の場合、音楽を聴く時間の比率はCDが7割、レコードは3割くらいでしょうか。レコードプレイヤーのターンテーブルに盤を乗せ、レコード針に綿ゴミが付着していないかチェックして・・正直面倒だなと思うこともあります。その点,トレイにDISCを乗せてスタートボタンを押せばOKのCDはなんと楽でしょう。この便利さが音楽(特にクラシック?)に向き合う姿勢に影響を及ぼしているのではないかと思うこともあります。レコードの場合、理想的なリスニングポイントの位置に座ってさあ聴くぞという感じです。CDの場合はBGM的に聴くことも多く、途中でポーズボタンを押して次の曲というように・・レコードの場合、途中でレコード針をアップすると盤に傷がつくことがあるのでガマンして最後まで聴くことになります。

もちろん、CDを聴いて大変感動することもあります。クラシック音楽を聴く場合がほとんどですが・・例えば、前にお話しした女流ピアニスト、エレーヌ・グリモーの”ブラームス/ピアノ協奏曲第1番、第2番/指揮アンドリス・ネルソンス”のCDです。これを聴いた時は鳥肌が立つほど感動しました。CDを聴いてこれほど気分が高揚したのは久しぶりでした。最近の録音ですから当然音がいい、なにより私が大好きなピアニスト、エレーヌ・グリモーということも影響していますが。しかしながらエレーヌ・グリモーに限らず最近は”CDは音はいいけど割とすぐに飽きる”そんな状況です。例外的なものはありますが。

CDの売上はレコードを抜いて以来、1998年をピークとして減少し続けています。銀座の山野楽器のクラシックコーナーは少し前からジャズのCDも置かれるようになりました。お客さんも昔に比べれば随分減っているなと実感します。ネットの音楽配信でみなさん満足しておられるのでしょうか?クラシック音楽の場合は曲が生まれた背景や作曲家、演奏家などの情報が必須だと思うのですが・・あるいはそもそも音楽に対しての興味が失せてしまったのか?スマホアプリにお金を使うようになってCDなどに回さなくなったから?

まあ、いろいろ原因はあるでしょうが、CDの1枚あたりの値段が高額すぎるのかもしれません。ウィキペディアで”CD不況”を検索しますと、原因、背景を詳しく述べられています。皆様も是非ご覧になってください。CDを再生するデジタルプレイヤー、アンプ、スピーカーなどのオーディオ機器を購入するのはそれなりに費用もかかるので若者にはちょっと高くて買えないのかもしれません。また、今の時代に対応したミュージックサーバー(ダウンロードした音楽ファイルを貯めておく機器?私は所有しておりませんが)などの機器も各社発売されております。こんな動きもCD不況につながっていると思われます。そして違法なダウンロードなどなど・・・

しかし、私は最初に書いたCD再生の”便利さ”が結果的に”音楽”を聴かなくなった大きな原因ではないかと思っております。新品のレコードが流通していないのでいまさらレコードを聴くべきだと言っても意味がありません。私はヤフオクで中古のレコードをたまに落札することがありますが、盤質の良いレコードも随分出品されています。再生するレコードプレイヤーについては先程のヤフオクで中古のプレイヤーは数多く出品されているのでそういったものを手に入れてもいいのかもしれません。また、新品では安価なものがヨドバシカメラなどで売られています。ただ満足できる音質が得られるかはわかりません。それに、そもそもアンプの中にフォノイコライザー回路がなければ、別に単体のフォノイコライザーを購入しなければいけません。高額なアンプにはこの回路がありますが、安価なアンプにはおまけ程度のものしかないというのが現状です。このフォノイコライザーも最低でも数万円はします。レコード再生はなかなか面倒なものなのです。

音楽パッケージとしてのCDはなくなることはないとは思いますが、これからますます売上は先細りになってゆくのはしょうがないことかもしれません。ただ、クラシック音楽はネットの音楽配信にはそぐわないジャンルの音楽だと思うのでCD自体が廃れることはないと思います。前述の山野楽器のクラシックコーナーは確かに人が少なくなっていますが、ロック系などのジャンルのコーナーよりはまし?です。BGM的にロック、J-POPなどのCDを聴くのもしょうがないですよね?せめてクラシック音楽のCDを皆さん、もっと買いましょう!!高額な?CDアルバムが音楽文化を未来に繫げるのですから・・・脈絡のない話をダラダラ書いてしまい申し訳ありません。