今から40年前、大学生だった私は東京・吉祥寺にある、ジャズ喫茶「ファンキー」、「メグ」によく行っておりました。そこで決まってリクエストをしたのが”チック・コリア/リターン・トゥ・フォーエヴァー(以下、R.T.F)”でした。コーヒー1杯でいろいろなジャズを聴けて大変幸せな時間を過ごせたことを想い出します。
ジャズについては詳しくない私ですが、このアルバムはスイングジャーナル主催の第6回(1972年度)ジャズディスク大賞で金賞を受賞しています。今から44年前のことなので、随分昔のことになります。”R.T.F”はジャズというよりも当時の言い方のフュージョンの方がぴったりかもしれません。クロスオーヴァーなんていう言い方もありました。私はモダンジャズのレコード、CDは数枚しか所有しておりません。クラシック、ロックなど他に揃えたいアルバムがたくさんありましたので。私には保守的?なイメージが強いモダンジャズですが、”R.T.F”は各演奏者がイキイキと自由に楽しんでいる印象です。私の勝手な解釈ですが・・
特に最後を飾る23分にもわたる曲、”サムタイム・アゴー〜ラ・フィエスタ”では、ウッド・ベースを弾いているスタンリー・クラークと、フルート、ソプラノ・サックス担当のジョー・ファレルの絶妙な掛け合いが楽しめます。そして後半部の盛り上がりはアイアート・モレイラの激しいパーカッションが炸裂。何回聴いてもゾクゾクします。”R.T.F”はジャズのアルバムの範疇には入らないものなのかもしれません。チック・コリアなんて人は知らないという人には是非聴いていただきたいアルバムです。
CDでは最新かどうかわかりませんが、ユニバーサルミュージック「JAZZ THE BEST」シリーズのものがあります。”ルビジウム・クロック・カッティングによるハイ・クォリティ・サウンド”と銘打ったCDで音質も素晴らしいです。CD番号はUCCU5008です。しかし、私としてはやはりLPレコードで聴く”R.T.F”で、当時にすっと戻ることができます。