シュタルケルというチェリストを知っていますか?

 

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ハンガリーの作曲家、コダーイの「無伴奏チェロソナタ作品8」で1948年、フランス・ディスク大賞を獲得したヤーノシュ・シュタルケルが、1970年に来日した際に東京・千駄ヶ谷にあるビクタースタジオで録音された同曲のCDを聴きながらこの投稿を書いています。J.C.バッハの「無伴奏チェロ組曲」に比べると、ソナタ形式のコンパクトな曲ですが、陰影ある曲調は雨の日に聴くとぴったりという感じがします。コダーイと同じハンガリーに生まれたシュタルケルは7歳でブタペスト音楽学院に入学を許されるほどでした。1948年、指揮者アンタル・ドラティ(ハンガリー生まれ)の招きでアメリカ合衆国に渡り、ダラス交響楽団の首席チェリストに就任します。その後、やはりハンガリー生まれの指揮者フリッツ・ライナーのもと、5年間にわたりシカゴ交響楽団に在籍。その当時、東欧の音楽家が続々とアメリカ合衆国に渡ったのですね。私は「無伴奏」という言葉から想起するイメージは「孤高」です。ピアノ伴奏などありません。演奏の出来はすべて自分の腕次第な訳ですから、チェリストにとっては厳しい曲だと思います。

 

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