モントリオール交響楽団は ”どのフランスのオーケストラよりもフランス的な ” オーケストラと呼ばれるようになったのは、指揮者シャルル・デュトワ氏の手腕の賜物といわれているようです。今回ご紹介するCD盤に収められている「パリのアメリカ人」の洗練されたオーケストレーション、題名のイメージをそのまま音楽にしたような天才的ともいえる曲の構成、そして録音の見事さにおいて他を圧倒している素晴らしい演奏になっています。録音されたのは1988年7月、モントリオールにある聖ユスターシュ教会と記されております。ネットで調べるとこの教会は ” 最高ランクのレコーディング会場 ” と紹介されています。だからか・・と納得です。このCD盤には有名な「ラプソディ・イン・ブルー」や「交響的絵画 ” ポーギーとベス ” 」、「キューバ序曲」も収録されていますが、なんといってもこのCD盤の中で一番魅力的な楽曲は「パリのアメリカ人」です。「ラプソディ・イン・ブルー」は聴けば知っているという方でガーシュインのCD盤を買ってみるかとお思いの方にはまさにうってつけ、しかも「パリのアメリカ人」も収録されているとくれば大変良心的といえる盤です。「ラプソディ・イン・ブルー」はやはり米国のオーケストラで聴くのがベストなのかはわかりませんが、2022年12月11日にこのブログにアップしたレナード・スラットキン指揮/セントルイス・シンフォニー・オーケストラ演奏のアナログ盤はお薦めです。指揮者レナード・スラットキン氏については2022年12月11日アップしたブログを見ていただければと。さて、この「パリのアメリカ人」の指揮者のシャルル・デュトワ氏については、2024年1月7日にアップした ” ロミオとジュリエット ” (これも聖ユスターシュ教会で録音)で少し触れています。スイス生まれの指揮者でピアニスト、マルタ・アルゲリッチ氏とは過去に夫婦だった等々。それはさておき、カナダ/ケベック州モントリオール市は60パーセントは白人で、その中でフランス系の方々が大多数を占めているとウィキペディアに載っています。モントリオール交響楽団の音にフランスのテイストを感じるのはそのあたりにありそうです。CDジャケットデザインはLONDON/DECCAとしてはとてもお洒落、CD番号はPOCL-5088、デジタル録音となっています。レコーディングデータを見ると1988年、7月ですから今から36年前くらい前に録音されたもののようです。