ピンク・フロイド ” ANIMALS ” をしばらく聴いたあとに、同じピンク・フロイドの最高傑作 ” THE WALL ” を久しぶりに聴きました。この曲の最期をしめくくるあたりはまるで ” オペラ ” を聴いているような感覚です。オペラと言ってもロック・オペラですが。そうかオペラか、オペラと言えばイタリア・オペラかなあとレコード棚をめくってみたら、20年以上前に購入したアナログ盤のプッチーニ「トスカ」がありました。当時2枚組で7000円ですので高価な盤です。帯に書いてある文言は大袈裟なコピーが並んでいます。超重量レコード盤(180g)特別高品質材料使用、時を超越したピュア・アナログの究極美!高水準 米国プレスなどなど・・レーベルはロンドンレコードで ” 特別限定プレス ” シリーズのアナログ盤です。
久しぶりに聴いたのですが、この音の佇まいはやはりアナログ盤でしか聴けないものです。ソプラノのレナータ・テバルディの天性の美声に加えて優雅さ、スタイリッシュな歌唱が素晴らしいです。1960年代の中頃まで、あのマリア・カラスと人気を二分したほどのソプラノらしいです。テノールは今世紀最高のテノールといってもいいと私は思っているマリオ・デル・モナコであります。輝かしい美声は ” 黄金のトランペット ” と賞賛されたとのことです。指揮はフランチェスコ・モリナーリ=ブラデルリ氏、オペラを得意とする方のようで、演奏はローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団、合唱団。録音は1959年、聖チェチーリア・アカデミアと書いてあります。録音された年代は確かに昔ですが、きちんと録音されているせいか古さはあまり感じません。偉そうですみません。
厚紙でずっしりと重いレコードジャケット、そして2枚組のレコード盤というセット、私は死ぬまで手放さないと思います。プッチーニの他のオペラ、例えば ”トゥーランドット” のメロディラインとなんとなく共通のものを感じます。しかしながらこの ”トスカ ” はプッチーニの数あるオペラの中の最高傑作ではないかと私は思います。”トスカ ” はCD盤も所有しております。カラヤン指揮、演奏はベルリン・フィル、ソプラノはカーティア・リッチャレッリ(素晴らしいソプラノです)、テノールは3大テノールの一人であるホセ・カレーラスという豪華な布陣なのですが、正直あまり聴きません。カラヤンという指揮者が私は苦手なのです。録音は素晴らしいですし、なんといってもリッチャレッリのソプラノがパワフルで素晴らしい!がしかし私はこのアナログ盤の「トスカ」の音の佇まい、そしてイタリア・ローマのオーケストラの醸し出す空気感は何とも捨て難い魅力に溢れているのです。
「トスカ」のアナログ盤2枚組のレコード番号はKILC-9101/2となっています。カラヤンのCD盤も2枚組で、デジタル録音ではなくアナログ録音で、1979年9月となっています。CDレーベルはドイツ・グラムフォン、CD番号は413 815-2となっていますがこのレーベルのCD番号はPOCG・・から始まるのが通常ですので違うかもしれません。