私が高校1年の頃ですから今から53年前のこと。「friends」は日本でも公開されたイギリス・アメリカ合作映画で当時ちょっと話題になりました。来年には70歳になる私としては気恥ずかしいかぎりですが、高校生の私にとってこの映画は、一言ではとても言い表すことができないほどショックを受けた初めての映画なのです。エルトン・ジョンは当時 ” 僕の歌は君の歌 ” がヒットしていて、良い曲だなあと感じていましたので、エルトン・ジョンがこの「friends」の映画音楽を担当していることでも大変気になる映画でした。映画を見終わったショックも覚めやらず、早速「friends」のシングル盤を購入、そしてB面に今回紹介する「Honey Roll」が収められています。このシングル盤はA面、B面共にレコード盤がすり切れるほど聴きました。当時のステレオシステムの中のレコードプレイヤーに着いていたカートリッジは割と重いタイプでしたので、本当にレコード盤はすり減っていたと思います。
さて、「Honey Roll」ですが、今聴いても古さを感じさせないロック調のナンバーで小気味良いリズムが実に気持ちいい。間奏のアルト・サックス?の演奏はちょっと古さを感じますが、その後のエルトン・ジョンの活躍を予感させる素晴らしい曲で、エルトン・ジョンの中では隠れた名曲ではないかと常々私は思っております。映画の中では、若い男女2人が女の子の生まれ故郷、南フランスのカマルグにパリ(たぶん)から列車で向かうシーンで流れていた曲(間違っていたらすみません)だったと記憶しています。それからもう一曲お薦めのナンバー「Can I Put You On」は映画の中でどうゆうシーンで挿入されていたかは忘れてしまいましたが、こちらはR&B調の軽快なサウンドで、エルトン・ジョンのライヴ盤(ELTON JOHN 17-11-70 、CD番号UICY-93667)にも収められています。
このアナログ盤をヤフオクで購入したのは40歳半ば(ちょっと恥ずかしいですが)で、高校生の私に大変なショックを与えたこの「friends」のサウンドトラック盤は絶対に手に入れなければと思っていましたので。久しぶりに通しで聴いてみましたが、前述のように時代性というか古さがほとんど感じられないことに驚きです。オーケストレーションを担当したのは天才ポール・バックマスター(私はこの方は天才の名に相応しい方だと確信しています)で、このアルバムの中のB面に収められている ” 田園の一日 ” は前衛的サウンドとポピュラー性を兼ね備えたアレンジメントが光っています。レコードレーベルはabc Records、レコード番号はYZ-8008-ABとなっています。現在ヤフオクで ”レコード “、”エルトン・ジョン ” で検索するとこのアルバムが何点か出品されております。エルトン・ジョンのオリジナルアルバムとしての完成度も高いこのアルバムはお薦めの一枚です。
尚、映画「friends」は1971年に米国でロードショーされたパラマウント映画配給、監督はルイス・ギルバート氏で ”007は2度死ぬ”、” 冒険者たち ” など大成功を収めた監督だそうです。