エマーソン、レイク&パーマー(ELP)のアナログ盤「タルカス」について

ピンク・フロイド、ボストン等の高音質アナログ盤でおなじみの ” ORIGINAL  MASTER  RECORDING ” シリーズの中でも抜群の音質を誇る、エマーソン、レイク&パーマー(以下、ELP)の「TARKUS(タルカス)」であります。ELPを初めて聴いたのは高校生の頃で、知り合いが所有していた、1970年にリリースされた1stアルバム「エマーソン、レイク&パーマー」の冒頭のサウンドにはめちゃ痺れまして、こんな音、今まで聴いたことがないぞと感じるほど相当ショッキングな体験でした。ELPはプログレッシヴ・ロック(以下プログレ)のハシリともいうべきイギリスのバンドで当時スーパーグループと呼ばれておりました。年配のロックファンの皆様には懐かしいグループかと。とにかく、メンバー全員の演奏技術のレベルが非常に高く、その点ではもう一つのプログレの雄、ピンク・フロイドの ” 緩い演奏 ”とは大違いです。さて、2ndアルバム「タルカス」のアナログ盤とCD盤の両方を交互に聴いてみて感じたことは、音の分解能はCD盤の方が優れていて、まあ綺麗な音です。アナログ盤の方はカール・パーマーの若さ故の力のこもったドラムの音がグイグイ迫って来る感じといいますか、要は全体を通して実在感溢れる演奏が素晴らしい!CD盤の音の見通しの良さは捨てがたいものがありますがなんとなく音が薄いというか・・・

3作目の「展覧会の絵」はライヴ盤で、この盤も当時繰り返し聴いたものです。アナログ盤は今、手元にはないので、CD盤のご紹介になります。ロシアの作曲家ムソルグスキー作曲/組曲「展覧会の絵」から着想を得て作られたもので、グレッグ・レイクのアコースティックギターの弾き語りとギターソロが聴けるトラック4、” THE  SAGE(賢人)” は、本当に感動します。クラシック音楽を愛する私ですが、通常のクラシックオーケストラの「展覧会の絵」よりもこのELPの方がなじんでおります。イギリス、イングランド北部ニューカッスル、ニューカッスル・シティ・ホールでの観客と一体になったライヴ感が素晴らしい。

4作目の「トリロジー」あたりから私的にはちょっと辛くなりまして、5作目の「恐怖の頭脳改革」はタイトル的にもういいやとなってしまい・・・。私にとってELPで好きなアルバムは1作目から3作目あたりまでです。なお、シンセサイザーのキース・エマーソンは ” ザ・ナイス “、ベースギター/アコースティックギター/ボーカルは ” キングクリムゾン ” 、ドラムのカール・パーマーは ” アトミック・ルースター ” とそれぞれ著名なグループを経てELPを結成したことから ” スーパーグループ ” と呼ばれていました。