ドーナツ盤は直径が小さいので再生は結構神経を使うのです。その1

今から50年以上前に発売された英国の女性シンガーで、ビートルズが設立したアップルレコードからデヴューしたメリー・ホプキンの歌う「 悲しき天使 」は私が中学3年生か高校1年くらいに、買ったものだと思います。当時空前の大ヒット曲だったのでラジオから頻繁に聴かれたものです。邦題の ” 悲しき・・” のタイトルは時代を感じます。  ドーナツ盤の回転数は45なので(1分に45回ターンテーブルが回転する速度で、LPレコードは33回転?)なんだか回転が早いのと、レコード針がレコード盤にきちんと下ろさないと大変なことになってしまうので結構神経を使います。レーベルはアップルレコード、レコード番号はAR-2160になります。音質はイマイチですが、メロディの良さでお薦めの盤です。

こちらも50年以上前に発売されたアメリカ合衆国のポップグループ、ザ・カウシルズが歌う「雨に消えた初恋」も非常に思い入れのある曲で、曲が流れ出すと中学時代の記憶がまざまざと甦ります。当時、全米No.1を記録したようです。タイトルのロゴタイプやジャケットデザインもなかなかセンスを感じます。大人になってから、どうしてもこの曲を聴きたくて銀座の山野楽器でこのグループのCDベスト盤を購入しました。それにしても当時の山野楽器さんの品揃えの努力には感心します。CD盤の音質ははっきり言って良くないです。もっともドーナツ盤の音もお粗末なのですが、アナログ盤で聴くとなぜか音質は気にならないのはなぜでしょうか。レーベルはMGMレコード(日本グラムフォン)、レコード番号はDM-1143です。

そして、私が中学3年の頃に日本でも一世風靡したブラジルのボサノヴァ・グループ、セルジオ・メンデスとブラジル’66 最大?のヒット曲「マシュ・ケ・ナダ」であります。その後メンバーチェンジを経てブラジル’77なんていう名前になったこともありました。ジャケットデザインや文字の書体、それに女性メンバーの髪型が時代を感じます。ボサノヴァという音楽ジャンルが日本の歌謡界にもかなり影響を与えましたよね。サウンド的には今聴いてもとても洗練されたもので、古さを感じないサウンドになっていて音質もまあまあです。レーベルはA&Mレコード(トランペッターのハープ・アルバート氏が設立したレコード会社)、レコード番号はTOP-1095です。

その1の最後を飾るドーナツ盤は、1960年から70年にかけて、アメリカポピュラー音楽界に多大な影響を与えた5人の黒人グループ、フィフス・ディメンションの「ビートでジャンプ(UP, UP, AND  AWAY)」です。この曲はB面になっていまして、A面は「輝く星座〜レット・ザ・サンシャイン」ですが、私はB面の「ビートでジャンプ」の方に強烈な思い入れがあります。曲的には、当時の若者に多大な影響を与えたミュージカル ”ヘア ” の挿入歌として、数々のカヴァー・バージョンを生んだ「輝く星座」の方が有名でしたが、「ビートでジャンプ」のサウンドが当時の私にどれほどのパワーを与えてくれたか!ちょっとオーバーですけれども。音質については「ビートでジャンプ」が時代を考慮してもそこそこ素晴らしい仕上がりになっています。「輝く星座」の方はイマイチです。黒人といっても白人との混血の方であろうと思われますので、それゆえでしょうか?非常に洗練されたヴォーカル・ハーモニーを聴かせるグループです。レーベルはARISTA(日本フォノグラム)、レコード番号は6RS-47です。

以上4点のドーナツ盤をご紹介しましたけれども、おしなべて音質はイマイチです。これはしょうがないと思います。40年から50年前の録音ですから。しかし、今聴いても古さを感じない曲がもあります。次回も数点のドーナツ盤のご紹介をします。