メンデルスゾーン「ヘブリディーズ諸島(フィンガルの洞窟)」のアナログ盤のご紹介です。

フェリックス・メンデルスゾーン作曲/演奏会用序曲「ヘブリディーズ諸島」は日本語では「フィンガルの洞窟(作品26)」の名前で知られています。オーケストラの標準的なレパートリーとして盛んに演奏されているとのことです。(ウィキペディアより)ソナタ形式で作曲されているみたいで、メンデルスゾーンがスコットランド旅行中に ” ヘブリディーズ諸島 ” の中のスタファ島にたどり着き、人気スポットの ” フィンガルの洞窟 ” を観て感激した(霊感を受けた?)メンデルスゾーンはその洞窟の規模、岩肌等イメージを音楽にしたのでしょう。

リヒャルト・ワーグナーはメンデルスゾーンの音楽を「一流の風景画を観ているようだ」と評したと書かれています。「フィンガルの洞窟」同様、B面に収録されている「交響曲スコットランド」はそもそもスコットランド旅行中に着想しているところをみると、スコットランドの風景などから大いにイメージを膨らませたのでしょうね。一流の風景画ねえ・・・ワーグナーの指摘はさすがに的を得ていると感心します。

A面は「フィンガルの洞窟」が収めされております。この曲の演奏時間は9分くらいですから大変短い曲ですが、メロディが流れてきたら多くの方は、この曲は聴いたことがあると思われるはず、メロディメーカーとしてのメンデルスゾーンの比類ない才能を感じます。このアナログ盤は東京・秋葉原のオーディオショップで購入したと記憶しています。価格は結構高額?だったかなと。ネットでこのアナログ盤を検索しますと、結構名盤なのかもしれない・・というのは、結構高額で取引されているからです。A面の二曲目とB面にまたがる感じで ” 交響曲 第3番イ短調 作品56「スコットランド 」” が収められています。荒涼としたスコットランドの風景、そして古城・・当時のスコットランドの風景画などを想像しながら聴くしかないのですが。最終章はエルガーが作曲したの?というような曲になっています。作曲家メンデルスゾーンと言えば「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」が有名で、ベートーヴェン、ブラームスと共に3大ヴァイオリン協奏曲と謳われています。こちらも皆さん、聴けばご存知の名曲であります。メロディメーカーとして、曲の構成(例えば、カデンツァが楽譜にしっかりと書かれているなど)に工夫が凝らされているなどプロフェショナルの作曲家だと言えます。

それにしてもこのアナログ盤の音の図太さ、彫りの深い響きは結構凄いものがあります。佇まいとしてのアナログ録音の実在感というか・・・最新のデジタル録音のCD盤からは聴けない音だなあと感じました。レコードのジャケット裏面の右下に、”・・・tube electronics ” の英文があります。tubeというのは、真空管の意味なのでマスタリングは真空管を使った機器なのかもしれません。指揮はスイス、ザンクト・ガレン生まれの世界的指揮者ペーター・マーク、演奏はロンドン交響楽団になっています。録音は1960年4月、ロンドン、キングスウェイホールです。この指揮者はモーツァルトとメンデルスゾーンのスペシャリストだそうです。だからでしょうか、このメンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」、「交響曲スコットランド」は作曲家メンデルスゾーンの作曲家としての実力を大いに示した素晴らしいアルバムになっています。CD盤があるかはわかりません。レコードレーベルは英国DECCA/レコード番号SXL  2246   CD盤はあるみたいです。ヤフオクで調べてみたらありました。CD番号はUCCD 9189 です。レーベルはユニバーサルミュージックで、アナログ盤と同じジャケットでした。

このアナログ盤は出来ればなるべく大型のスピーカーで聴いていただきたいです。ロンドン交響楽団の分厚いアンサンブルは小型スピーカーではちょっと厳しいと思います。小型スピーカーの場合は、低域を少しブースト(強く)すれば多少ましになりますが。