PINK FLOYD「ATOM HEART MOTHER(邦題:原子心母)」のこと

アルバムジャケットの牛の写真が特徴的なイギリスのロックグープ、PINK  FKOYDの「ATOM  HEART  MOTHER(邦題:原子心母」を検索すると、いろんな方々(ロック評論家の方など)のコメントが出てくると思いますが、私なりにこのアルバムの ” 音 ”の佇まいについて語るとすれば、刺激的な音がほとんどしないのです。アナログ盤とCD盤(紙ジャケ盤)の両方を聴いてみました。アナログ盤(ORIGINAL  MASTER  RECORDING シリーズ)の音の質感は、ご理解いただけるかわかりませんが、金属で例えると ” ” のような質感の音で、そしてなんとなくだるい音です。CD盤の音はもう少しきちっとしていて多少刺激的かなという感じですか。どちらの盤が好きかと聞かれたら私は間違いなくアナログ盤の方が好きだと答えます。アナログ盤のこのアルバムはこんな ” いい音 ” ?だったっけ?です。とにかく”カチッとした音 ” じゃないところがまたいいんですよね・・・今から53年前の1970年にリリースされたのでアナログ録音だと思いますが、53年前に発表されたとは思えないほど、古さを感じさせない音世界なのです。B面の5曲目 ” Alan’s  Psychedelic  Breakfast ” (アランのサイケデリック・ブレックファスト)はほとんど現代音楽に通ずるサウンドで、冷蔵庫のドアを開けて冷えたビール?あるいは牛乳?の瓶が擦れた音、なにか朝食をガツガツ食べている音等々、非常に実験的です。この「ATOM  HEART  MOTHER/原子心母」は出来れば、アナログ盤で聴いていただきたいです。この ” だるい音 ”、” 鉛 ” のような音(私が勝手にイメージしてるだけです)を感じていただきたい。 そして小型スピーカーより中型、もっと言うと大型スピーカーで聴かれることをお薦めします。私が聴いているJBL  コントロールモニター4319は大きさ的には中型ですが、低域用スピーカーであるウーファーの直径は30cmあります。4319なんて大したスピーカーじゃないよというお叱りを受けると思いますけれども、前述の冷蔵庫のドアを開ける音などは小型スピーカーで雰囲気を伝えるのはちょっと厳しいのでは・・・個人的にはピンク・フロイドの最高傑作は「THE  WALL」だと勝手に思っていますが、サウンド的には「ATOM  HEART  MOTHER(原子心母)」の実験的音世界が聴いていて楽しいです。そしてORIGNAL  MASTER  RECORDINGシリーズのこのアルバムは、オリジナルアルバムよりジャケット写真が全体的に濃い色味になっています。こういうちょっといい加減なところが私は好きですが、リリース時のアルバムをカラーコピーをしたのか、あるいは複写してそれを印刷原稿にしたのか?元デザイナーとしては気になるところです。レコード番号ですが、ジャケット裏面の下にスペシャル・リミテッド・エディション/No.1843という金の刻印が押してあります。