前回のブログでご紹介したオルトフォンのフォノイコライザーEQA- 555 MK2は現在生産終了になっているみたいです。私がこの製品を購入したのはかなり前のことなので今はもう終了になっているのかなあと思っておりましたのでちょっと残念です。しかしながら程度のいい状態のものをネットオークションで購入できるかもしれません。このフォノイコライザーEQA-555 MK2とオルトフォンMCカートリッジ/MC20の組み合せから聴こえてくる広帯域な再生音は単体のフォノイコライザーならではの音質です。さて、オルトフォン・ジャパンのホームページを見ると、現行のフォノイコライザーとしてフラッグシップ商品であるEQA-2000と、価格をぐっと抑えたEQA-444がラインナップされております。EQA-2000の定価は¥540.000という価格になっています。入出力全てバランス接続などオルトフォンの集大成とも言うべき製品なので、当然音質は違うレベルなのでしょうが、このブログでは敢えて触れないことにします。大体から高価すぎます。そしてもう一つの価格をぐっと抑えたEQA-444は定価¥90.900となっています。実売価格がどれくらいになるのかわかりませんが、この価格なら購入してみようかと思われますか?前回ブログでご紹介したEQA-555 MK2が¥150.000なので製品としてのグレードは少し下がります。試聴していないのでなんとも言えませんが価格的に判断するとクラシック音楽よりロックやジャズなどに的を絞った若いオーディオファンのための製品なのかもしれません。
アナログ盤を実際に聴くには、まずアナログプレイヤーとフォノイコライザーを繫ぐフォノケーブルが必要です。アナログプレイヤーを実際に使っておられる方はおそらく所有されているはずなので必要ありませんが。このフォノケーブルにも2種類ありまして、RCA フォノケーブルのタイプと5pin DIN-RCAフォノケーブルのタイプがあります。私が使用しているアナログプレイヤー、テクニクスSL1200 mk4は ” RCAフォノケーブル ” でフォノイコライザーと繫いでおります。アナログプレイヤーによって接続するフォノケーブルが違うので注意が必要です。それからフォノイコライザーの出力端子とアンプの入力端子(通常のライン入力)を繫ぐためのオーディオケーブルも必要になります。私が使っているオーディオケーブルは、レンジの広さを考慮してワイヤーワールド/エクリプス2.5m(RCAプラグ)で繫いでいます。最後に私が使っているEQA-555 MK2のAC電源は各種電源ケーブルが交換可能な3極ACインレット方式になっているので、3極インレット電源コードを用意する必要があります。ちなみに私が使っている電源コードの写真をアップしておきます。この電源ケーブルはヤフオクで新品購入したもので、コードが比較的柔らかいので大変使いやすく、価格的にもそれほど高価ではありません。履歴で確認しようとしましたが結構時間が経っていたのでオークション名は削除されておりました。個人で制作販売されている方のページから購入しました。FURUTECH(フルテック)のソケットが使われています。単体のフォノイコライザーを使っていい音でアナログ盤を聴くにはいろいろと揃えなくてはならないものがありますが、面倒ですがそれだけの価値はあると私は確信しています。
EQA-555 MK2をヤフオクなどで購入される方のために”取り扱い説明書”の画像を載せさせていただきます。この製品のサイズですが、かわいい大きさで、左右205mm、奥行き200mm、高さ65mmですが重さが2.4kgとそこそこ重いです。ただ、奥行き的には3極インレット電源ケーブルを差し込むことを考慮するとそれなりにスペースは取ると思われます。
最後に大事な事がありまして。カートリッジにはMM型(メーカーによってVM型という言い方もあります)とMC型があることは前回のブログでお話ししました。MC型カートリッジからの微小信号を増幅させる方法として、「MC昇圧トランス」を使って曻圧(音量アップ)し、アンプ側のフォノ入力端子、あるいはフォノイコライザー側のMMカートリッジ端子に繫ぐ方法があります。コイル巻線(ターン数)の巻線比の差で変圧(この場合は昇圧)し、結果として出力を上げることが出来ます。音質的にはエネルギッシュな再生音らしいですが私は使ったことはありません。ただ、この方法はMMカートリッジを使う時は昇圧トランスを一時的に取り外さなくてはならないので利便性がよくありません。もう一つの方法の「ヘッドアンプ内蔵のフォノイコライザー」については、今までつらつらと紹介しているEQA-555 MK2、EQA-444のタイプで、半導体やICを利用したタイプです。機器前面にカートリッジ変更用スイッチ、背面にMMカートリッジ、MCカートリッジ独立した切り替えスイッチがあるので利便性が大変良く使いやすいものになっています。そして、オルトフォンのホームページをいろいろ見た結果・・・MC昇圧トランスを内蔵し、前面でカートリッジ内部の異なるインピーダンス(抵抗値)変更にも対応し、MM、MC切り替え操作も前面でできるオルトフォンEQA-2000がいいとこ取りで利便性抜群なフォノイコライザーだということがわかった次第です。やはり気になる製品ですから、そして高価な理由がわかりました。
そこそこのプリメインアンプ(最初からそこそこのグレードのフォノイコライザー回路が積んであるもの)であれば、MCカートリッジの出力の差などほとんど気にせず、気軽にアナログ盤を聴かれてもいいと思います。気分を変えてMMカートリッジの音を聴いてみてもいいですよね?おそらくアンプ前面にカートリッジ切り替えスイッチがあるでしょうから。私的には1990年にYAMAHAさんから発売された高級プリメインアンプAX-2000Aは音質、デザイン、アナログ回路(フォノイコライザー回路)が素晴らしく、私の中では過去最高のプリメインアンプでした。アンプ背面にある入力端子がMM、MC独立の端子だったのでカートリッジの取り替えがちょっと面倒でしたが、アナログ盤を繰り返し聴きまくっておりましたよ。トーンコントロールも低域、中域、高域の3ポイントの調製が効くすぐれものでした。アナログ再生は本当に奥が深いと思うと同時にやはりめっちゃ面白いです。