暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしですか?今回はクラシック音楽では有名な交響曲である「新世界より」についてです。この交響曲は作曲家ドヴォルザークが新天地アメリカ合衆国のニューヨーク国民音楽院の初代院長に招聘され、これから恐るべき発展を遂げるアメリカへの強烈な印象、アメリカ民謡、黒人霊歌などから着想を得て作曲されたものらしいです。この”新世界より”というタイトルは、彼の故郷であるチェコスロバキアに送った音楽における望郷の手紙のようなものらしいです(出谷 啓氏著/クラシック・CDで聴く名曲・名盤より)。私が中学1年の時に入部した吹奏楽部の先輩達がコンクールに向けて練習していたのが、この”新世界より”の第4楽章でした。今でも、この交響曲を聴くと当時を思い出します。個人的に好きな楽章は、第1楽章です。偉そうな言い方ですが、この交響曲の核となるメロディを随所に散りばめる巧妙さ(プロの作曲家だから当然か?)が素晴らしいと思います。
ここはアナログ盤の”イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルハーモニー交響楽団/デッカ盤”を取り上げます。有名な交響曲ということもあり、いろいろな指揮者、交響楽団のものがあります。”フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団”、”レナード・バーンスタイン指揮/イスラエル交響楽団”、”クラウディオ・アバド指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団”、”ウラジミール・アシュケナージ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団”(このCDは録音もよく、ホールの響きも心地良く非常にいい音です。2枚目の写真の左上のCDですが、2枚組なので多少高価です)等々。ここで取り上げさせていただいているイシュトヴァン・ケルテスさんはハンガリーのブタペスト生まれで、あのカラヤンの後継者と将来を期待された名指揮者だったのですが、海で遊泳中に高波にさらわれ行方不明になり、そのまま帰らぬ人になったらしいです。これからの人だったのですが残念です。
このデッカのアナログ盤からは、ハンガリー生まれの指揮者ケルテスさんならではのこの交響曲に対する深い思い入れ、ドヴォルザークと同じ東欧の国ということも関係しているのかチェコスロバキアに対する望郷の念を強く感じます。アナログ盤の再生はレコード針が盤を直接トレース(接触)しているからこそ、CDよりも実在感ある音で迫ってくるのだと思います。前出の”フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団”のCD(2枚目の写真の中の右下のCD)は日本ビクターがデジタルマスタリング技術を駆使した「xrcd2」というシステムを使ってできた、ちょっとお高いCDです。確か、¥4.500くらいでしたか・・、まあ音的にはそこそこで、当時のオリジナル音源を忠実に再現?しているのかなという気はします。CDは取り扱いがラクで、アナログ盤はかなり面倒、気を抜くと盤を落としたりします。そうなったらキズがついてしまうこともあり修復は困難。それでもアナログ盤の音は捨てがたいものがあるのです。