カール・ニールセンという作曲家をご存知ですか?デンマーク出身の作曲家です。私もこのCDを買うまでニールセンという作曲家のことは知りませんでしたが、指揮がヘルベルト・ブロムシュテット氏ということで購入したのでしょう。ブロムシュテット指揮のオルフ作曲”カルミナ・ブラーナ”は私のお気に入りのCDなので。それはさておき、ニールセン「交響曲 第4番 ”不滅”」、「交響曲 第5番」が収録されているこのCDの音質は素晴らしいの一言です。ネットでこの交響曲についていろいろ調べてみたところ、結構有名な指揮者(例えばバーンスタイン等)のCDもあるみたいなので、クラシック音楽の中ではそれなりに有名な交響曲なのでしょう。ただ、ベートーヴェンとかモーツァルトのような有名どころに比べるとちょっと玄人好みの交響曲なのかなという気はします。それと、作曲されたのが第1次世界大戦が終わった数年後のことで、今までの価値観は吹っ飛び、失業やインフレなどで中立国のデンマークも社会不安の波が押し寄せていた・・そんな時代ですから、能天気な曲など創れなかったのでしょう。
レコーディングデータ・・1987年に録音され、場所はサンフランシスコ/デイビーズ・シンフォニーホールで、デジタル録音です。レーベルは”LONDON”(DECCA?)になります。楽団はブロムシュテット氏の手兵”サンフランシスコ交響楽団”です。この抜群の音質はLONDON(DECCA)の録音スタッフのセンス、技術が素晴らしいのとサンフランシスコ交響楽団の演奏技術の高さですかね?個人的には、音質の点でいうとドイツグラムフォン”ホルスト作曲/惑星、ジェームズ・レヴァイン指揮・シカゴ交響楽団”に匹敵すると思います。もともとブロムシュテット氏はアメリカ生まれのスウェーデン人で、ストックホルム王立音大等で教育を受け、主に北欧のオーケストラを指揮していた方で、デンマークの作曲家であるニールセンの作品を得意としていることがこの名録音を生んだんでしょうね。音もしっかりと厚みがあります。前回、ヘンデル”メサイア”のアナログ盤の”空気感”が最新デジタル録音のものよりまさるのでは?と書きました。しかしながら、指揮者の曲に対する理解と解釈、それに応えるオーケストラ、優秀なプロデューサー、そして優秀な録音エンジニアの方々がデジタル録音をしたCD盤の音は、アナログ盤の”空気感”とはまた別の”スケール感”という軸が加わった音空間が展開されています。