例えば、クラシックコンサートでピアニストが弾くショパンのソナタは”音楽”という文化的価値を目と耳で感じることです。オーディオは疑似音楽再生である以上、コンサートでピアニストが弾く「生」の音そのものを再生することは不可能です。このことは、以前ホームページで皆様にお伝えしたことです。その代わり、今日はピアノソナタを聴き、明日はロックのライブ盤を聴くといった体験ができるのが「オーディオ」の楽しさだと思います。「生」の演奏を期待するのは無理だけれども、ひょっとしたら生のコンサートやライブの音より、生活空間の中での”いい音”かもしれない、そんな妄想?の世界に浸ることは結構楽しいものです。今回のリニューアルで、”より実在感のある音”をめざした「ファイアーバード・ラウドスピーカーケーブルVersion 2」は、前回のケーブルより”取り回し”がしやすく、また堅牢な造りになっていることが音質に強い影響を及ぼしていると思われます。
また、バイワイヤリング接続をするのに大変便利な「ファイアーバード・ジャンパーケーブル」を今回発売しました。考え方は”スピーカーケーブルの延長”として捉えていることです。デザイン、質感は「ファイアーバード・ラウドスピーカーケーブルVersion 2」に準じています。バイワイヤリング接続対応の小型スピーカーに2セットのスピーカーケーブルで繫ぐというのは理想的な繫ぎ方かもしれませんが、ちょっと大袈裟です。このジャンパーケーブルと1セットのスピーカーケーブルでバイワイヤリング接続とほぼ同じ効果を得る事ができます。
オーディオを趣味とすることは、少しでも”いい音”にするために、楽しみながらも悩み、妄想?しながら少しづつ自分のイメージの音に近づける行為でもあると思います。大型スピーカーを高価なセパレートアンプでドライブするのはオーディオの醍醐味の一つです。しかし、それほど高価ではないプリメインアンプと質の良い小型スピーカーの組み合せでも、きっと感動する音を聴くことができると確信しています。そのために、少しでもお手伝いが出来ればと考えております。思えば数十年前に、安価なハンダをスピーカーケーブルの先に固着させ、ヤスリで綺麗に整え、アンプとスピーカーにそれぞれ繋ぎ、ストラヴィンスキー /バレエ音楽「火の鳥」を聴いた時の感動は今でも忘れることはできません。端末処理でこんなに音が変わるのか?と。
その時の感動がs.d.j.acousticsの原点であることを決して忘れてはいけないと思っております。
s.d.j.acoustics 代表
須藤 紳二
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