第10回浜松国際ピアノコンクールの結果について

浜松国際ピアノコンペッティション パンフレット

先日開催された、第10回浜松国際ピアノコンクールの本選の1日目を聴きに浜松に行ってきました。どんな方々がファイナリストに残っているか大変楽しみでしたけれども、なんと日本人ピアニストが4人本選に出場することがわかり、今回はひょっとすると日本人ピアニスト初の優勝するかもと期待に胸を膨らませアクトシティ浜松/大ホールの自由席に。本選は、1日目3人のピアニスト(全員日本人のピアニストでしかも全員男性でした)、2日目3人(日本人1人、韓国人1人、トルコ人1人)の計6人で競います。私は11月23日に開催された1日目しかチケットを購入していなかったので、2日目の方々の演奏を聴く事はできません。今思うと全員聴くべきだったなあと悔やまれます。楽団員のまだいないステージの写真はその時のものです。自由席だったのでピアニストの顔は席から遠すぎてはっきりとは見えないので双眼鏡を持参、いよいよ本選の始まりです。

一人目の務川慧悟さんの曲目はプロコフィエフ・ピアノ協奏曲第3番ハ長調。まあ、この曲は玄人受けというか審査員受けする曲かなあと私は勝手に思っております。さすがに本選まで残る方だけあって大変上手な方でした。2人目の安並貴史さんはブラームスのピアノ協奏曲第2番変ロ長調を演奏しました。この方もテクニック的にも非常に巧い人でしたが、いかんせんこの曲はちょっと長いのです。なんと50分にもわたる演奏時間はなかなかきついものがあります。このピアノコンクールは私と私の娘と孫娘の3人で聴きましたが、孫娘の方はかなり退屈していてもう帰るなんて言い出したらとどうしようかとハラハラ・・・。そして3人目の牛田智大さんの登場です。彼が13歳くらいの時になにかのテレビ番組で紹介されたことがあったので顔には見覚えがありましたが、今夜の彼は19歳のりっぱな青年になっていました。曲目はラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番ハ長調・・フィギュアスケートにもよく使われる有名な曲です。情感溢れるその演奏は聴衆をすぐに魅了しました。孫娘も演奏に引き込まれている様子、目をつむりこの曲の持つ叙情性を余すところなく、そしてピアノの鍵盤に指がくっついているかのような演奏が終わると同時に割れんばかりの拍手、そしてかなりの方々のスタンディングオベーション、ひょっとしたら優勝?と思わせてくれた素晴らしい演奏でした。まあ、明日もあるしどうなるかはわかりません。

結果、1位に輝いたのはトルコ人ピアニスト、ジャン・チャクムルさんでしたが、2位には牛田さんが選ばれました。同時に聴衆賞に輝きました。日本人初の1位は獲れなかったのは残念でしたが、牛田さんにはショパン国際ピアノコンクールで頑張っていただきましょう。それにしてもトルコのジャン・チャクムルさんの演奏したリストのピアノ協奏曲第1番変ホ長調は相当上手だったのでしょうね!