もうすぐクリスマス、J.C.バッハの「クリスマス・オラトリオ」を聞きたくなる季節になりました。

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J.C.バッハの宗教曲と言えば、「マタイ受難曲」を第一に挙げられる方は多いと思います。そして、”マタイ”と言えばドイツ人指揮者、カール・リヒター氏のものというのが一応の定説?と私は思っておりました。バッハに対して真摯な姿勢で臨むカール・リヒター氏のお人柄でしょうか、優しく包み込むような”マタイ”はまさに「人類の至宝」言われています。しかしながら、私にとって”マタイ”はちょっと重いのです。日本はキリスト教徒が人口の割に非常に少なく”イエス・キリストの受難”というテーマは実生活にはなじみが薄いことがあるのかもしれません。

その点”クリスマス・オラトリオ”は重さを感じません。それは、オープニングの”合唱:歓呼の声を放て、喜び踊れ!いざこの日々をば讃え”ではこれからクリスマスを迎える当時の人々のウキウキ感、嬉しさ感が溢れているから。カール・リヒター指揮・ミュンヘン管弦楽団、ミュンヘン・バッハ合唱団のCDを何回も聴き込むうちに、最近録音されたCDを聞きたくなりました。カール・リヒター氏はレコード時代の方だからです。

ニコラス・アーノンクール指揮/ウィーン・コンツェントュス・ムジクス、アルノルト・シェーンベルク合唱団のCDが発売されています。最新といっても2006年にウィーンで録音されているのでさほど新しい録音ではありませんが、やはりカール・リヒター盤に比べるとホールの響きも相まって素晴らしいものになっています。もうすぐ巷では、流行りのクリスマス・ソングが聴かれますが、たまにはバッハの”クリスマス・ソング”(失礼な言い方をお許しください)を聴いてみてはいかがでしょうか?

私が”クリスマス・オラトリオ”の中で一番のお気に入りの曲は、CDの2枚目の冒頭「第4部/新年用カンタータ・合唱:ひれ伏せ、感謝もて、ひれ伏せ、讃美もて」です。なんという素晴らしいメロディーでしょうか!!そして、CD3枚目のこのオラトリオの最後になる「第6部/主顕節用・合唱:主よ、勝ち誇れる敵どもの息まくとき」の堂々としたフィナーレ(最後の曲ではありませんが)感を感じることができます。その他まだまだ、素晴らしい曲がたくさんあります。「第1部/降誕節第1祝日用カンタータ・アリア:備えせよ、シオンよ」などキリスト教徒でなくても敬虔な気持ちで聴かないと申し訳ないなというか・・もうすぐクリスマス、寒さを感じる季節に、バッハの曲は心に滲みます。

ちなみに、ニコラス・アーノンクールさんは、ネットでお調べいただければどうゆう方かはご理解いただけると思いますが、もちろん一言でこの指揮者を語ることはできません。作品(交響曲、宗教曲に限らず)に対してどうゆう解釈をするかが指揮者の一番のポイントであるとすればアーノンクールさんは、解釈が非常に新鮮で刺激的であることです。なにか別の曲なの?と思ってしまうくらいです。アーノンクール指揮のものをCDショップで見つけると思わず買ってしまうそうゆう指揮者です。このブログを公開した後でそれぞれのCDの写真をアップする予定です。